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Jan 14

Ultralight Photography

しばらく使っていた銀塩カメラを売り払いました。

使っていたのは Rollei 35S というフルマニュアルカメラです。これは、 Olympus Pen シリーズを代表とするコンパクトなハーフサイズ機を蹴散らすことになった、ハーフサイズ機ほどにコンパクトなフルサイズ機として、画期的だった機種です。カメラ史に興味がある人は Rollei 35 シリーズの名前くらいは聞いたことがあるでしょう。

このカメラそのものは、レンズも Sonner を使っていて、かっちり撮れたときはしっかりした写真になるものの、特に(開放気味の時に)ピントを合わせるのが難しく、それに加えてフルマニュアルだったゆえ、今では(銀塩全般に言えることですが)ほとんど人気もないように思っていました。

が、昨年秋に放送された写真にまつわるアニメ『たまゆら』において、主人公の「ぽって」がずっと使っていたので驚きました。ちなみに同作では、 Nikon F や D80 、 Canon S95 など、銀塩もデジタルも問わず、わりと広範囲に人気なカメラが多く出てきましたが、 Rollei 35S だけは異色でした。

ということで、『たまゆら』を契機に銀塩に興味を持った人や、もっと大事に使ってくれるであろう人に使ってもらおうと、オークションで売りました。ええ、たしかに、中古で買ったときよりも少し高く売れたような気もします。はい。それも動機のひとつだったことは事実です。

手持ちの銀塩がなくなったので、そろそろ銀塩から引退しようかと思いましたが、銀塩には他に欲しい機種もあります。が、自宅に現像環境を構築しない限りは維持費が高くつくので、二の足を踏んでしまいます。一方でデジカメには欲しい機種がありません。ということで、消去法によって手持ちの iPhone を強化させちゃおうという暫定的な指針が立ちました。

そして出来たのが以下。 ultralight iphoneography 、もとい、 ultralight photography といっても過言ではないかもしれません。 

使っているのは  iPhone 4S + olloclip + Glif + Gorilla Pod Micro 250 。

iPhone 4S の詳しい説明はいらないと思いますが、 8M ピクセルの画素数はウェブに上げるくらいだとちょうどいい感じですし、 HDR も働くので、思いのほか見苦しくない写真が取れます。そして何よりユーザインターフェイスが分かりやすい。加工するアプリも数えきれないほどのアプリがあるので、ちょっとした編集もササッとやれてしまいます。 3G や Wi-fi の回線を使えば、ウェブや Dropbox にも一瞬で上げられます。僕は Mac を OS X Lion にアップデートしていないので、 iCloud は使っていませんが、 Lion 機を持っている方なら Photo Stream 経由で Mac に同期してあんなことやこんなこともできるでしょう。

これらの機能によって、 iPhone 4S そのもので、数年前のデジカメに画像編集ソフトをインストールしたうえに Eye-fi を装備したかのようなことができるわけです。

二番目の olloclip というのは、 iPhone 4/4S のレンズ部分にそのままはめ込むだけの追加レンズで、魚眼に広角、マクロまでついています。上の写真の中ではマクロを使っています。ちなみにフィギュアのアスカは同居人からの借り物です。魚眼や広角については、アプリを駆使すれば、専用のレンズがなくとも、それっぽいことはできると思いますが、レンズの性能に関わらず、やはりそこはファインダ( iPhone の場合はディスプレイ)を通して撮ることにこだわりたいのがカメラ好きの本能というものです。ちなみに僕はレイの方が好きです、たぶん。

三番目の Glif というのはなんてことはない、ただの iPhone 4/4S に三脚をとりつけるダボ穴を持った台座です。しかしなかなか便利です。そのままでも動画を見るときなんかにはスタンドとして使えるそうですが、スタンドは使わないので、僕は三脚をつけたままにしています。固定力にも不安はありませんが、三脚やその雲台によっては不安定になるかもしれません。そういうときには Glif+ といった他のラインアップがいいかな?

Glif も olloclip も、 iPhone にバンパや保護フィルムなどを装着していると使えないということが指摘されると思いますが、僕の場合は何もつけていないのであまり問題はありません。とはいえ、防水ジャケットをつけたいという思いは今でもたまに頭をよぎりますね……。

そして三脚が Gorilla Pod Micro 250 。これはコンパクトな三脚です。そうとしか言いようがありません。正直、自由雲台がついた三脚であれば何でもよかった。とりあえず小さいものを選んでおきました。

さて、こいつらのおかげで、「数年前のデジカメに画像編集ソフトをインストールして Eye-fi を装備して、三脚と三つの交換レンズを携行する」といった状態が、上の写真にあるものだけでできてしまいます。もちろん、電話にメール、ウェブブラウジングもできます。

もちろん写りはよくできたカメラほどはよくありませんし、絞りやシャッタスピードを好きにいじれるわけでもありませんが、重量や体積の面では驚くほど簡素化できています。もうデジタルはこういったもので十分なんじゃないかとも思えはじめました。というか、普段われわれが使っているデジタルガジェットによってもたらされる恩恵というものの大部分が軽量化ではないでしょうか。ここまでくると、デジカメやそのアクセサリィでかばんが埋め尽くされるというのは、どうもおかしなことに思えてきます。これからは、手持ちの携帯端末の写真に満足できれば、かなり快適にすることができるのではないでしょうか。

ところで、前述の olloclip と Glif は両方とも、 Kickstarter で企画された製品のようです。 Kickstarter から生み出されたガジェットはどれも魅力的です。これからはどんなものが生み出されるのでしょうね。